実際に依頼先が決まり、建物の工事を始める際には、「工事請負契約」を結びます。実際には、民間連合協定(旧四会連合協定)の契約書と約款(契約の細目事項を定めた附属書類)がよく利用されています。これは、古くから日本建築学会や全国建設業協会などの業界団体が協力して作成・改訂してきている最も代表的な建築関係の契約書類のひな型だ。ただ、主に大規模な工事を想定しているので、内容的に一戸建ての契約にマッチしない部分もあるといわれる。それでも、これを使っていればまだ安心だ。問題なのは、請負代金の総額(ひどい場谷は坪単価のみ)や支払方法しか記載されず、添付の間取図も簡単なイメージ程度といういい加減な契約を結んでしまうケースだ。こうした契約では契約で法的拘束力が発生まず間違いなく、あとからトラブルに巻き込まれる。契約は法的拘束力が生じる重要な手続きであり、本来はプランや仕様が決まり、見積り内容を確認した上で結ぶべきものだ。ところが、住宅業界では一般に、とにかく契約を結び、その後で詳細設計や細かい見積りをするケースが少なくない。工務店や住宅メーカーの営業マンは、他社に取られたくないため早く契約したがるし、施主のほうも早く決めてすっきりしたいという気持ちがあるからだと思う。しかし、プランや仕様、見積りなどが決まっていないうちに契約を結ぶのは、常識で考えれば明らかにおかしいことだ。なお、詳細が固まった上で契約する際も、契約書には設計図、仕様書、見積書、工事内訳書などを添付することを忘れずに行おう。そうした添付書類によって一裂約内容が細部まで確定され、後々のトラブルを防ぐことにつながるのだ。
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